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ムーミン谷

ぼくが住んでいるところは、田舎としても都会としても中途半端で面白味のない土地だ。最寄りのショッピングモールは潰れ、駅前のテナントは長い間空いたままだ。都会の雑踏や人の冷たさを思い出すと、決まってぼくはムーミン谷に住むことを妄想する。引っ越したら住民たちは歓迎してくれるし、家を建てるのも手伝ってくれると思う。自然に囲まれた広い家の中でポツリと机に向かい、小説でも書きながら気ままに暮らしたい。